昨日のワークで、ご自身の強みの「素材」となる経験や知識、情熱の断片がいくつか見つかったのではないでしょうか。

リストを眺めながら、「自分には意外と色々な側面があるな」と感じたかもしれません。

今日から、編集思考の第二の柱、「みがく」のプロセスに入ります。

「みがく」と聞くと、「けずって本質を取り出す」ことをイメージするかもしれません。漢字にすると「精錬」。意味は「粗金属を純度の高いものにする」(『マスコミ用語担当者がつくった 使える! 用字用語辞典』、三省堂刊)と定義されているので、正しい認識です。

しかし、私は「Refine」をイメージしてこの「みがく」を定義しています。英語の「refine」には「取り除く、純化する」のほか「改良する」という意味があります。

つまり、「みがく」ことは「足すこと(足し算)」だけではなく、不用なものを取り除く「引くこと(引き算)」も必要です。じぶんの「有りたい姿(=Vision)に向けて、なにが必要か?」を考えて、足りない知識を身につけることも必要です。

「足して」じぶんを「みがいた」具体例

私の場合、45歳までに独立を念頭に置いていたため、独立後に必要になる知識や人脈を得るために、37歳の頃、社会人として大学院に通いました。そこで得た経験は今でも財産になっています。

また、価値を磨き上げる本質は、「不要なものを削ぎ落とし、本当に伝えるべき一つのことに焦点を合わせること」でもあるので、「引き算」も大切です。

「強み」を見つけてから、昨日のワークで見つけた「素材」を、あれもこれもと並べ立てて「私はこんなに色々できます」とアピールするのは、「もったいない」やり方です。それは、相手に「で、結局あなたは何の専門家なの?」という印象しか与えません。

編集者は、数ある素材の中から、「これこそが、相手にとって最も価値がある」という一点を見つけ出します。その価値が最も輝くように、他の要素を足したり、大胆に削ぎ落としたりするのです。

「私は、10年間マーケティングに携わり、3つの業界で実績を出し、5つの資格を持っています。趣味はカメラで、最近は動画編集も学んでいます」

これでは、何も伝わりません。ここから「みがく」作業が始まります。

  • 誰に伝えたいのか?
    → 最近、SNSでの発信に悩む個人事業主
  • その人にとって最も価値ある強みは?
    → 3つの業界で培ったマーケティングの知見
  • どう削ぎ落とすか?
    → 資格の話や趣味の話は、今は不要
  • 結果、以下のように磨き上げられます。

    「私は、10年間マーケティングの現場で培った知見を活かし、個人事業主の方がSNSでファンを増やすための戦略設計を専門としています」

    メッセージが格段にシャープになり、「何をしてくれる人なのか」が一瞬で伝わるようになったはずです。

  • あなたの素材リストの中から、最も価値があると感じるものはどれですか?
  • その価値を伝えるために、何を「捨てますか」?
  • じぶんの価値を高めるために、何を「足しますか」?
  • これらの問いに回答していくことで、じぶん自身をどんどん「みがき」、編集してきましょう!

    明日は、「伝わる」と「伝える」の決定的な違いについて、さらに深く掘り下げていきます。お楽しみに。